2010年04月30日
Spring-8 一般公開
さらに、木曜日の日記の続き。
この日は、播磨科学公園都市にある、Spring-8の一般公開の日。
普段は、平日に申し込みをすれば、見学はできるみたいなんですが、
休日に一般公開するのは、年に1回だけで、
この日には、色々と、一般向けのイベントもやっているみたいで、
せっかくの機会なので、テニスの後、車をとばして見に行ってきました。
この、『Spring-8』とは、いったい何ぞや?というと、
世界最高性能の放射光を生み出すことができる、
日本が世界に誇る、大型放射光施設の総称のこと。
ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、産業研究など、
様々な研究がここで行われています。
ちなみに、『Spring-8』の名前の由来は、
Super Photon ring-8 GeV
で、「スーパー(超=超高性能の) フォトン(光子=光の粒) リング(輪=円形加速器=蓄積リング)
80億電子ボルト(=8ギガ電子ボルト)」
という意味らしい。
8GeVってのは、電子を、光の速さの99.9999998%の速さで運動させるぐらいのエネルギー量で、
全世界の放射光施設の中でも、これだけの出力を出せるのは、ここだけなんだとか。
Spring-8 では、原子レベルでの成分解析が可能ということで、
和歌山の毒カレー事件の、使用薬物の解析に使用されたことで、注目を集めました。
(毒餃子事件は、結局、使ったんだったっけ?)
もっとも、最近では、昨年の第1弾事業仕分けで、仕分け対象になったりしたことで、
地元では、話題になりました。
(最終的には、関連予算は1.7億円程度の削減にとどまったらしい)
播磨科学公園都市に着くと、既に駐車場に入るための車の列が・・・
まさか、こんなに混むと思ってなかったので、予想外。
結局、会場入りできたのは、お昼前になっちゃいました。
あたりは、さすが、田舎に作った研究施設だけあって、
土地も建物も、むやみにデカっ!って感じ。
ちなみに、敷地面積は、東京ディズニーランドの約3倍もそうで、
蓄積リング(電子を光速に近い速さでグルグル回し続けているリング)
の外周は、1400mもあるんだとか・・・
会場に着くと、(イメージキャラクターらしい)ゆるキャラのニャン博士がお出迎え。
このニャン博士、なかなかカワイイ。
こっちは後から撮った、はばタンとのコラボショット。
心が和みます
早速、総合受付と、加速器見学ツアーの受付を済ませて、
まずは、蓄積リング棟内にある、中央制御室へ。
Spring-8の施設、連動して動かさないと、正常に動かないため、
ここで、集中管理して、制御用のタイミングを作り出しているんだとか。
様々なモニターがあって、なかなかものものしい雰囲気。
その後は、階段を下って、実験ホールへ。
蓄積リングの外周に沿って、各グループの実験エリアがあり、
各グループは、蓄積リングから、放射光を取り出して、
必要に応じて、各種実験に利用しているそうです。
(水道から蛇口をひねって水を出す様子に例えられていました)
この日公開されていたのは、外周全部ではなくて、
そのうちの一部だったんですが、それでも広っ!!
ここでは、普段、Spring-8を使って、色々な研究を行っている、
各グループによる、展示やイベントが行われていました。
目の前で見る超伝導の実験は、なかなか面白かったです。
画像は、液体窒素で、絶対零度近くまで冷やされた物体が、超伝導で、宙に浮いている様子。
食堂でお昼を食べてからは、加速器見学ツアーへ参加。
本当は、後輩O野のサークルで何度かテニス御一緒したことのある、
Tさんが、講演会の講師をしていたので、そちらも見に行きたかったんですが、
残念ながら、見学ツアーの時間と重なってしまって、見にいけなかったのは残念
加速器の各施設を、職員の方が、説明しながら、案内してくれる、この見学ツアーですが、
簡単に回る70分コースと、じっくり回る120分コースがあり、
我々が受付に行った時には、既に最終組の70分コースを残すのみ。
(体力的には、こちらの方で、ちょうど良かったかも・・・)
ツアーでは、ツアーでしか立ち入ることのできないエリアに入って、
電子銃で放出された電子が、加速器によって、光速に近い速さまで高速化され、
蓄積リングへと合流するまでの関連施設を、説明してもらいながら、実際に歩きます。
これが、結構な距離、歩きましたねぇ~
ちなみに、このSpring-8の年間の電力料金は19億円かかるんだとか
夏場は、機器の冷却などの関係もあって、あまり使わないようにしているらしい・・・
事業仕分けの結果に関しては、職員の皆さん、色々気にしておられました。
私も、科学技術予算の事業仕分けについては、
はなはだ疑問をもっている人間の一人です。
昨年の事業仕分けで、施設の収支がペイしていない、
なんて、アホな事を言っていた仕分け人がいましたが、
こういった、科学技術の研究分野って、
ペイするかしないかで判断したら、ペイするところなんて、ないのが当たり前。
既に、結果が簡単に分かるようなものなら、そもそも、研究する意味がないですし。
天下りの役員を仕分けしてもらうのは、大いに結構だと思うけど、
こういった研究費用そのものを仕分けしようとするのは、愚の骨頂だと思うんですけどね・・・
詳細な事を知らない仕分け人だからこそ、思い切って、仕分けできる、
なんて事を言う人もいますが、
仕分けが必要なものとそうでないものを、科学技術に関しては素人である、仕分け人に、
正確に見極められるとは到底思えない
少なくとも、仕分け人は、
対象となっている研究分野について、調査を行って、
ある程度の事前知識をもって、仕分け作業に臨むのが、
最低限、あるべき姿なんじゃないのかなぁ~。
結局は、選挙目当ての政治パフォーマンスにしか見えないんですよね。
そもそも、事業仕分けで予想できる削減額自体が、数千億円程度(第1弾事業仕分け)で、
予算全体の、ごくごくほんの一部ですし。
海外に数1000億円単位で、大盤振る舞いで海外にばらまいてる、国際援助や、
防衛予算を上回る額の子ども手当て、
国がいくら借金しても、国会議員も含め、我関せずで高額なままの公務員の給料、
など、そっちを事業仕分けする方が、先なんじゃないのって思っちゃいます・・・
■参考:世界に誇る「科学インフラ」が、なぜ「税金のムダ」なのか?
存亡の危機に瀕した日本先端科学の象徴「SPring-8」
ちょっと脱線してしまいました・・・
見学ツアーが終わった頃には、既に16時過ぎ。
他の公開スペースも、あらかた、終了モードでした。
正直、時間、全然、足りなかったなぁ・・・
理系出身の私的には、なかなか興味深いイベントだったんですが、
文系出身の嫁様、途中、話が難しすぎて、知恵熱が出そうになったようですが、
普段とはかなり雰囲気の違う空間を体験できたこともあり、
それなりに面白いイベントだったようです。
来年は、早めの時間からの計画を立てて、また見に来ようと思います。
この日は、播磨科学公園都市にある、Spring-8の一般公開の日。
普段は、平日に申し込みをすれば、見学はできるみたいなんですが、
休日に一般公開するのは、年に1回だけで、
この日には、色々と、一般向けのイベントもやっているみたいで、
せっかくの機会なので、テニスの後、車をとばして見に行ってきました。
この、『Spring-8』とは、いったい何ぞや?というと、
世界最高性能の放射光を生み出すことができる、
日本が世界に誇る、大型放射光施設の総称のこと。
ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、産業研究など、
様々な研究がここで行われています。
ちなみに、『Spring-8』の名前の由来は、
Super Photon ring-8 GeV
で、「スーパー(超=超高性能の) フォトン(光子=光の粒) リング(輪=円形加速器=蓄積リング)
80億電子ボルト(=8ギガ電子ボルト)」
という意味らしい。
8GeVってのは、電子を、光の速さの99.9999998%の速さで運動させるぐらいのエネルギー量で、
全世界の放射光施設の中でも、これだけの出力を出せるのは、ここだけなんだとか。
Spring-8 では、原子レベルでの成分解析が可能ということで、
和歌山の毒カレー事件の、使用薬物の解析に使用されたことで、注目を集めました。
(毒餃子事件は、結局、使ったんだったっけ?)
もっとも、最近では、昨年の第1弾事業仕分けで、仕分け対象になったりしたことで、
地元では、話題になりました。
(最終的には、関連予算は1.7億円程度の削減にとどまったらしい)
播磨科学公園都市に着くと、既に駐車場に入るための車の列が・・・
まさか、こんなに混むと思ってなかったので、予想外。
結局、会場入りできたのは、お昼前になっちゃいました。
あたりは、さすが、田舎に作った研究施設だけあって、
土地も建物も、むやみにデカっ!って感じ。
ちなみに、敷地面積は、東京ディズニーランドの約3倍もそうで、
蓄積リング(電子を光速に近い速さでグルグル回し続けているリング)
の外周は、1400mもあるんだとか・・・
会場に着くと、(イメージキャラクターらしい)ゆるキャラのニャン博士がお出迎え。
このニャン博士、なかなかカワイイ。
こっちは後から撮った、はばタンとのコラボショット。
心が和みます
早速、総合受付と、加速器見学ツアーの受付を済ませて、
まずは、蓄積リング棟内にある、中央制御室へ。
Spring-8の施設、連動して動かさないと、正常に動かないため、
ここで、集中管理して、制御用のタイミングを作り出しているんだとか。
様々なモニターがあって、なかなかものものしい雰囲気。
その後は、階段を下って、実験ホールへ。
蓄積リングの外周に沿って、各グループの実験エリアがあり、
各グループは、蓄積リングから、放射光を取り出して、
必要に応じて、各種実験に利用しているそうです。
(水道から蛇口をひねって水を出す様子に例えられていました)
この日公開されていたのは、外周全部ではなくて、
そのうちの一部だったんですが、それでも広っ!!
ここでは、普段、Spring-8を使って、色々な研究を行っている、
各グループによる、展示やイベントが行われていました。
目の前で見る超伝導の実験は、なかなか面白かったです。
画像は、液体窒素で、絶対零度近くまで冷やされた物体が、超伝導で、宙に浮いている様子。
食堂でお昼を食べてからは、加速器見学ツアーへ参加。
本当は、後輩O野のサークルで何度かテニス御一緒したことのある、
Tさんが、講演会の講師をしていたので、そちらも見に行きたかったんですが、
残念ながら、見学ツアーの時間と重なってしまって、見にいけなかったのは残念
加速器の各施設を、職員の方が、説明しながら、案内してくれる、この見学ツアーですが、
簡単に回る70分コースと、じっくり回る120分コースがあり、
我々が受付に行った時には、既に最終組の70分コースを残すのみ。
(体力的には、こちらの方で、ちょうど良かったかも・・・)
ツアーでは、ツアーでしか立ち入ることのできないエリアに入って、
電子銃で放出された電子が、加速器によって、光速に近い速さまで高速化され、
蓄積リングへと合流するまでの関連施設を、説明してもらいながら、実際に歩きます。
これが、結構な距離、歩きましたねぇ~
ちなみに、このSpring-8の年間の電力料金は19億円かかるんだとか
夏場は、機器の冷却などの関係もあって、あまり使わないようにしているらしい・・・
事業仕分けの結果に関しては、職員の皆さん、色々気にしておられました。
私も、科学技術予算の事業仕分けについては、
はなはだ疑問をもっている人間の一人です。
昨年の事業仕分けで、施設の収支がペイしていない、
なんて、アホな事を言っていた仕分け人がいましたが、
こういった、科学技術の研究分野って、
ペイするかしないかで判断したら、ペイするところなんて、ないのが当たり前。
既に、結果が簡単に分かるようなものなら、そもそも、研究する意味がないですし。
天下りの役員を仕分けしてもらうのは、大いに結構だと思うけど、
こういった研究費用そのものを仕分けしようとするのは、愚の骨頂だと思うんですけどね・・・
詳細な事を知らない仕分け人だからこそ、思い切って、仕分けできる、
なんて事を言う人もいますが、
仕分けが必要なものとそうでないものを、科学技術に関しては素人である、仕分け人に、
正確に見極められるとは到底思えない
少なくとも、仕分け人は、
対象となっている研究分野について、調査を行って、
ある程度の事前知識をもって、仕分け作業に臨むのが、
最低限、あるべき姿なんじゃないのかなぁ~。
結局は、選挙目当ての政治パフォーマンスにしか見えないんですよね。
そもそも、事業仕分けで予想できる削減額自体が、数千億円程度(第1弾事業仕分け)で、
予算全体の、ごくごくほんの一部ですし。
海外に数1000億円単位で、大盤振る舞いで海外にばらまいてる、国際援助や、
防衛予算を上回る額の子ども手当て、
国がいくら借金しても、国会議員も含め、我関せずで高額なままの公務員の給料、
など、そっちを事業仕分けする方が、先なんじゃないのって思っちゃいます・・・
■参考:世界に誇る「科学インフラ」が、なぜ「税金のムダ」なのか?
存亡の危機に瀕した日本先端科学の象徴「SPring-8」
ちょっと脱線してしまいました・・・
見学ツアーが終わった頃には、既に16時過ぎ。
他の公開スペースも、あらかた、終了モードでした。
正直、時間、全然、足りなかったなぁ・・・
理系出身の私的には、なかなか興味深いイベントだったんですが、
文系出身の嫁様、途中、話が難しすぎて、知恵熱が出そうになったようですが、
普段とはかなり雰囲気の違う空間を体験できたこともあり、
それなりに面白いイベントだったようです。
来年は、早めの時間からの計画を立てて、また見に来ようと思います。
tennisのブログにて、Spring-8 を教えて頂けるとは、驚きました。
時々、聞いたり目にしたりする Spring-8 理系出身ではない
私には、想像も出来ませんでした。
化学は、私には想像も出来ないところに活かされている事も
化学通の多い中で~始めて教えて頂きました。
来年の公開日には、見学したくなりました。
おっくうな性分で、ブログはtennis365以外にはやっていないんですが、
一応、テニスねたを中心に、時々、脱線ブログに・・・
って感じでやってます^^;
私の地元から、そんなに距離が離れていないこともあり、
今回、見学に行ってきたんですが、スケールの大きさに圧倒されました。
もし、機会があれば、また見に行ってみて下さいね。
今回、Spring-8を見学にいって、あらためて、この御時勢の中で、
こういった研究機関や、先行投資的な意味合いのある分野について、
(ある意味、スポーツの強化費用なども、それに当たるのかもしれませんが)
無駄な部分と本当に必要な部分との切り分け、また、
必要な部分については、その必要性が伝わるようにアピールすることが、難しい事であるんだなと感じました。
必要性が伝わるようにアピールすることが、難しい事であるんだな>・・・
それが、意味合いが解らないまま聞くに聞けない雰囲気は私にも感じます。
全然解らなかったのが、少しでも知り得たのが、嬉しいです。
科学(化学)は、民間の私には、理解出来ていない部分が沢山あるのですね。
テニス休暇中(?)ですが、一つテニス以外を勉強させて頂いて嬉しいです♪
科学って、実用段階(一般的に広く利用される段階)に入るまでに、
たくさんの研究を行って、その中のごく一部が実用化されるので、
日の目を見ない研究もたくさんあると思います。
(実用化されていても、専門的すぎて、一般的でないものも多数あると思いますし・・・)
でも、こうやって、わかりやすく説明してくれる機会があれば、
また参加したいと思います。